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医療・福祉施設の運営環境改善のポイント 医療福祉施設と情報化

医療機関のIT化と患者サービス

日常生活の情報化

今日のインターネット、携帯電話の普及には目を見張るものがあります。
図1は年齢別のインターネット利用率、図2は60〜64歳世代のインターネット利用率の推移です。これらを見ると、インターネット利用者が高齢者層にも拡がってきていることがわかります。数年後には、子どもからお年寄りまで当たり前のようにインターネットを使うことが一般的な時代になるでしょう。

図1 インターネット利用率(2007年末)

図1 インターネット利用率(2007年末)
資料:総務省 通信利用動向調査
(平成19年)

図2 インターネット利用率(60〜64歳)

図2 インターネット利用率(60〜64歳)
資料:総務省 通信利用動向調査
(平成19年、平成17年)

さて、このインターネット世代は通信手段として電子メールを使うことが多いようです。これは、携帯電話でも電子メールが利用できるため、郵便や電話よりはるかに手軽で日常生活に深く溶け込んだ通信手段となっているからのようです。

インターネット、携帯電話を取り巻く変化は、医療機関の経営にも大きな影響を与えていくと考えるべきでしょう。あるときは病院や医師の選定に、またあるときは病気や治療の情報を得るためにITを利用するからです。
医療機関のIT化を考える際には、患者さんが既にIT化しているという事実をまず認識する必要があると言えます。そして、この患者さんのIT化に着目すると、医療機関のIT化は電子カルテにとどまらず幅広い分野に目を向けることが必要となってきます。

日常の利便性を入院時にも求める患者さん

先程の通信手段の例で言えば、入院患者さんは病院内で気軽にインターネットや携帯電話を使いたいと思うでしょう。たとえば、患者さんにとって心の支えとなる大事な人との連絡が携帯電話を利用した電子メールでしか出来ない場合もあります。
だからと言って、「病院内で自由に利用して下さい。」という訳にはいきません。携帯電話は医療機器や心臓ペースメーカーに影響を与えるかもしれませんし、多床室で通話しますと他の患者さんに迷惑を掛けます。航空機内と同じように無線電波を発する機器は、病院の管理下にあるもの以外は一定の制限を設ける必要があります。

入院患者さんのニーズを満たしながら、ある程度病院側で管理しうる形でインターネットや携帯電話等の通信手段を用意することが必要となります。

病院もICカード導入時代に

画像近年ICカードが身の回りにかなり普及してきました。一般の個人向けのものでは交通機関の乗車用やコンビニ等小売店での小額の決済用に、企業では職員証を兼ねた入退室管理や情報機器の認証用など、幅広く利用される社会基盤のひとつになっています。

ところで、病院は24時間稼動の施設であり、当番日には夜間や休日でもオープンしています。誰でも自由に出入りできるきわめて開放的なところも多いと思います。
しかし、昨今は防犯上の観点から開放的なままという訳には行かなくなってきました。このことが病院施設設計の分野において、セキュリティをどのように施設計画に織り込むかといった大変重要なテーマのひとつとなっています。

そして今注目されているのが、先程述べたICカードです。
このICカードは、

  • 持っている人ごとに入室制限をきめ細かに設定できる
  • 退院や紛失しても設定情報を書き換えるだけで使用停止にできる
  • 写真や氏名等を印刷して職員証と同じように携帯できる

など様々なメリットがあり、新築する多くの病院で採用され始めてきています。
ただし、その導入には病院運営の将来を見据えた情報体系の設計が必要となります。

  • 職員コード体系の見直し
  • ICカードに持たせるべき情報の仕分け
  • 決済機能のあり方

など、今後長期に渡って医療機関の運営に重大な影響を与える事項を同時に決定することが重要となるのです。

このように医療機関のIT化の動きが病院経営の上で様々な方面に広がってきています。