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白銀の空へジャンプ!ジャンプ! Vol.011 白馬ジャンプ台

冬季オリンピックといえば
白馬ジャンプ台

白馬ジャンプ台

4年に1度のウィンタースポーツの祭典、冬季オリンピック。毎回日本人選手達の活躍を楽しみにしている方も多いでしょう。日本では過去に2度、冬季オリンピックが開催されています。1972年の札幌オリンピック、1998年の長野オリンピック。どちらの大会でもスキージャンプで「日の丸飛行隊」が大活躍しました。その舞台となった札幌「大倉山シャンツェ」、長野「白馬ジャンプ台」は両方とも大成建設の「地図に残る仕事」です。

今回は船木選手や原田選手らが大ジャンプを披露して観客を魅了した「白馬ジャンプ台」をご紹介します。

白馬ジャンプ台はチョット違います

日本国内には、ジャンプ台が20箇所以上あるのはご存知ですか?しかしラージヒル用(旧90m級)とノーマルヒル用(旧70m級)のジャンプ台が並んで建っているのは国内でも白馬しかありません。並列し、クラブハウスなどの付帯設備を共用することで、開発面積の減少と建設費の節約を図っているのです。またジャンプ台は、山の斜面を利用しながらスロープを作ることが多いようですが、白馬のジャンプ台には脚があります。

このジャンプ台ってどうやって作るのでしょう

白馬ジャンプ台

白馬ジャンプ台

トンネル工法を活用?!
山根 英雄氏

山根 英雄氏

白馬ジャンプ台の計画段階から4年以上もこのプロジェクトに携わり建設工事作業所長をされていました山根英雄氏にお話を伺いました。

─山根さんにとってジャンプ台の工事は初めてだったと思いますが、どんな思いでしたか

ジャンプ台工事がはじまった1990年は、オリンピックの開催地に長野が決まっていたわけでもなく、オリンピック誘致のための目玉の施設として計画されたジャンプ台でした。私は長年に渡り上越新幹線のトンネル工事、北陸自動車道や常磐自動車道などの高速道路のトンネルに関わる工事に携わってきたので、ジャンプ台はもちろん初めてでした。

1992年のアルベールビルオリンピックのノルディック複合団体競技で荻原健司選手が日の丸の旗を振ってゴールをきったこともあり、日本でもジャンプをもっとメジャーなスポーツにしていくためには、いい仕事をしようという気持ちは常にありましたね。

─工事はどのように進められていくのでしょうか?
着手前状況

着手前状況

まずは、山を切り崩して、低いところへ土を埋めていく作業が行われます。

伐採・掘削後

伐採・掘削後

ジャンプ台のスタート地点にあたる柱脚部分はかなりの急斜面になりますので通常であれば地山をかなり削って基礎を作ります。しかし植生を残せる自然に優しい工法を検討した結果トンネル工法を採用することとなりました。この工法ですとジャンプ台を支える柱脚基礎部の地盤の掘削量を最小限に抑えることができます。横からトンネルを掘り、コンクリートで固め、その上に柱脚を立ち上げて、鉄骨を組んでいくのです。

トンネル工法(このトンネルの上に柱脚を作ります。)

トンネル工法
(このトンネルの上に
柱脚を作ります。)

地山を削らなければいけないところだけ、トンネル工法を活用し、傾斜が緩やかなところではコンクリートを固め基礎を作り柱脚を作ります。そして水平方向に鉄骨を組みながら、滑走面を作っていきました。

─傾斜地に大型機械を使い構造物をたてる、考えただけで大変な工事ですね
滑面を設置

滑面を設置

このジャンプ台、ラージヒル用(全長385m)は、高低差は138m、最大斜度37.5度にもなり、ノーマルヒル用(全長318m)は、高低差107m、最大斜度36.5度にもなります。

鉄骨組

鉄骨組

工事中は、とにかく作業員の安全に気を配りました。転落や重機の転倒が一番の心配でしたが、事故もなく無事に引き渡すことができました。

─作業現場で特に心がけていたことは、何でしょう
滑面にセメントを流し込む

滑面にセメントを流し込む

作業員一人一人とのコミュニケーションを特に大切にしていました。親しみを感じれば相手を大切にできます。家族同様の付き合いでお互いに迷惑をかけてはいけないという意識で現場が動いていたと思います。

ラージヒル登場

ラージヒル登場

着工して半年後に、長野がオリンピック開催地として正式に決定したこともあり、常日ごろから作業所では「思い出をつくろうよ」をモットーにしていました。オリンピックの競技施設づくりに参加できたことは、実に幸運なことです。地図に残ることはもちろんオリンピックの歴史に残りますから。

─工事全体を通して思い出深いことはありますか?

社員や作業員は周辺の民宿を宿泊所として利用させてもらっていました。お世話になっていた民宿がオリンピックに向けてホテルへの改築をすることになった際には、是非大成建設に施工してもらいたいというお願いをされました。この工事を通じて地元の方との信頼関係も生まれたというのも貴重な思い出です。

ジャンプ台建設工事

ジャンプ台建設工事

─白馬のジャンプ台は競技がない時はスタート地点を見学できるそうですが、現地の見所はどこでしょう
ジャンプ台オールシーズン化

ジャンプ台オールシーズン化

夏も冬も並列するジャンプ台の姿は美しいものです。下から見上げる姿もいいのですが、是非スタートタワーでスタート地点まで上がって下さい。その高さと滑走面の角度を体験してみると、正に圧巻でジャンプ競技を見る視点が変わるかもしれません。

工事概要

発注者

長野県 白馬村

設計者

林魏建築設計事務所

施工者

大成建設・北野建設のJV

施工期間

1990年7月〜1992年11月

総敷地面積

125,000m2

大倉山シャンツェのご案内

発注者

北海道 開発局

施工者

大成建設

工期

1969年3月〜1971年2月

総敷地面積

74,000m2

画像 大倉山シャンツェのご案内

(日本人選手が表彰台を独占し、日の丸飛行隊と呼ばれる活躍をみせた1972年の「冬季 札幌オリンピック」で有名な大倉山シャンツェも大成建設の仕事です。)

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