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「さくら館」誕生で患者さまへの心をこめたサービス・医療提供が向上しています。

医療法人 桜十字病院
理事長代理 西川 朋希 様/経営企画室 緒方 一未 様

分野

医療・福祉

桜十字病院を引き継いでから3年。株式会社再春館製薬所 西川通子会長は、「熊本をつくられてきた先輩たちに感謝するための“こころの故郷(ふるさと)”をつくりたい」というお考えのもと、桜十字病院の敷地を囲っていた塀を取り除き、より地域に開かれた病院を目指すなど、これまでにさまざまな改革を行ってこられました。

そして2008年4月、遂に“こころの故郷”を具現化した「さくら館」が完成しました。
この新しく生まれ変わった桜十字病院のシンボルである「さくら館」建設の経緯などを、桜十字病院理事長代理 西川朋希様、経営企画室 緒方一未様に伺いました。

医療法人 桜十字病院 理事長代理 西川 朋希 様

医療法人 桜十字病院
理事長代理 西川 朋希 様

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─新しい病棟はどうして必要だったのでしょう。

画像西川理事長代理:
当院は、「患者さま第一主義」を掲げております。その理念を、患者さまに、地域のみなさまに、スタッフに明示してより一層の浸透を図るために、「患者さま第一主義」を具現化したシンボルが必要でした。医療業界には現在逆風が吹き荒れており、積極的な投資には迷いもありましたが、今後の桜十字病院の発展を長い目で考えた際に、必要な投資だと判断しました。

─どのように「患者さま第一主義」を形にされたのでしょう。

西川理事長代理:
病院には多くの人がかかわるので、新病棟を建てるならば、やはり関係者全てにとってハッピーなものにしたい。「患者さまに満足していただける環境」「ご家族がお見舞に来たくなる環境」「地域の皆様に親しまれる環境」「スタッフにとって働きやすく、誇りに思える環境」など、多くの思いを込めております。

ですが、我々の出発点はあくまで「患者さま第一主義」なので、「患者さまにより良い入院環境」という考えを軸に、その実現をとことん追及しました。また、完成した建物そのものだけではなく、その検討のプロセスも重視しました。

緒方様:
通常病院の窓は、腰壁と申しますか腰より下の部分は壁になっております。しかし、患者さまの多くは車椅子を利用されていたりベッド上にいらっしゃることが多く、腰より上の窓だけでは外の風景をあまり見ることが出来ません。
特に当院の場合、長期療養をされていらっしゃる方も多いので、出来れば外の風景を見て季節を感じていただきたい。出来れば、屋外の人の動きを見て刺激を感じていただきたい。そういう風に考え、窓をスリット窓にしました。
患者さまからはベッドに横になっていても、四季の移り変わりや人の動きを感じることができ、日常を楽しみながら過ごすことができると大変好評です。

また、1階フロアには郷土のデパート「鶴屋」さんに入っていただき、買い物を楽しまれる方も多くなりました。

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─プロセスをどのように重視されたのですか。

画像西川理事長代理:
患者さまの病室を検討する際には、大成さんに実物大のモデルルームを作ってもらい、そのモデルルームの中で医師や看護師、その他さまざまな専門職が、大成の設計の方と一緒になって検討を重ねました。この検討のプロセスこそが当院にとって「患者さま第一主義」に正面から取り組む研修になりました。

大成さんとは、合宿形式による勉強会を何度か開き、寝食を共にして一緒に検討しました。先程のスリット窓をはじめ、病棟の形など新病棟「さくら館」の特徴となった多くのアイデアを提案いただきましたが、それも大成さんと我々で同じ目標を思い描ける程にチームとしてひとつになれたからだと感謝しております。

緒方様:
工事のプロセスは、患者さまにも共有させていただきました。工事現場の仮囲いを中が見える素材にし、病院の廊下から工事の進捗状況が見えるようにしたところ、多くの患者さまが、建物が完成していく様子を日々楽しんで見学されておりました。

工事は通常騒音を伴い、患者さまにとって不満足の基になりますが、工事の進捗を共有することによって、ひとつのエンターテイメントになりました。これも、仮囲いの工夫から、展示用パネルの提供まで、大成さんの全面的なご協力があればこそでした。近隣対策なども含め、現場所長のご尽力にはとても感謝しております。

─さくら館がオープンしてから半年以上経過しましたが、使い勝手はいかがですか。

緒方様:
建物を十字型にしたことで、2階〜5階にある各病棟のホームステーションから病室までの動線が短くなり良い効果が生み出せています。
介護・看護というのは、患者さまのもとにすぐに行ける態勢でないといけません。ホームステーションを十字型の真中にもっていくことによって、ナースコールの対応においても一目でどこが鳴っているか管理することができ、誰がどこの部屋へ出入りしているかが判り易くなりました。

西川理事長代理:
効率的に業務を行える環境を整えることで、患者さまに接する時間をより多くとることが出来、それが患者さま満足に繋がるという当初の設計思想は、完成後半年の運営状況を見てみると実証されたように思えます。

さくら館の1階フロアは、熊本を代表する画家 坂本善三氏の絵画「阿蘇」を飾った開放的な空間になっておりますが、この空間ではこの半年間でさまざまなイベントが開催されてまいりました。近隣の皆様に「開かれた病院」に、「親しまれる病院」にという思いは「さくら館」の開設によって随分と進展したように感じます。

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─社員食堂が1階正面に配置されていて驚きました。

西川理事長代理:
通常はバックヤードにある社員食堂を1階正面で風景がよい一等地に置いたのは、現場のスタッフ皆が「主役」であることを認識して貰いたかったからです。
スタッフの誇りやモチベーションは、患者さまに心のこもったサービスを提供する上で非常に重要な要素だと考えております。「さくら館」完成後の職場環境にスタッフは概ね満足を感じているというアンケート結果がでて、思い切って社員食堂を1階正面に設置した甲斐がありました。

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─今後どのような病院を目指されますか。

画像西川理事長代理:
本年度に「患者さま満足宣言」という指針を定めました。これは、病院スタッフ皆の行動指針であり、より一層「患者さま第一主義」を浸透させるためのものです。患者さまに支持され、患者さまに喜ばれる病院をひたすらに目指すことが、地域医療の底上げにつながり、また全国の医療のあり方へ良い影響を与えられるのではないかと考えております。経営理念に掲げる「“こころの故郷”つくりたい」、「高齢者先進県である熊本県が、医療機関モデルとして誇れるものでありたい」とは、患者さま満足を追求することによって達成されるものだと考えています。

─本日はありがとうございました。

(取材日 2008年11月5日)

編集後記

11月上旬に取材に伺った熊本は気温が21℃、桜十字病院様の手入れの行き届いた庭園には花々がきれいに咲いていました。病院正面門から続くゆるやかなカーブの右手には、スタッフ専用の保育園と園庭が見えます。左手に向かうと池へと続き、元気良く泳いでいる鯉を鑑賞することができます。この池は、防火水槽を利用して造られたものです。このように患者さまのために考えられた工夫が病院内の随所に施されています。取材させていただいた会議室の窓からは、緑の庭園を患者さまとスタッフの方がゆったりと散歩をする、桜十字病院様の理念を象徴する光景を見ることができました。

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