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地域ブランドを構築し地域の皆様と共に歩む工場を目指しました。

株式会社コスメティック・アイーダ
代表取締役社長 神谷 文夫 様

分野

その他製造業

─貴社の事業についてお教えください。

当社は「日本文化の創造」という社是と、“女性の美しさを引き立たせるための化粧品を世の中へ送り続ける”“安心安全な化粧品の生産を通じて社会貢献を行うこと”という経営理念のもと、特殊メイク、映画やテレビ、演劇で使用する“舞台屋”というブランドの展開と、化粧品、医薬部外品のOEM、商品の研究開発から各種コンサルティングまで様々なサポートを行っています。
目指す原点は、お祭りに代表されるような“人々の心の中に宿る絶対に無くてはならないもの”で、心の芯に求めるものです。それが何かを追求していくべきと考えております。

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─今回のプロジェクトの背景をお聞かせいただけますでしょうか。

画像当社は、以前より、宮城県亘理町に第一工場、山元町に第二工場を建設し操業していましたが、第二工場が2011年の東日本大震災の際の大津波により被災し、操業停止に追い込まれました。最近まで完全な復旧を行うことができず、第一工場と仮設の第三工場に生産装置を整備して操業しておりました。
そのような状況の中で、「津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金」の交付決定通知を受け、第一工場も手狭となっていたこともあり、新工場を建設する構想に至りました。

─プロジェクトを進めるにあたってのコンセプトをお教えいただけますでしょうか。

今回、

  • Rebuild(再び作る):被災した第二工場を完全改修し、粉体化粧品の生産施設として整備
  • Revival(再び興す):BCP観念からの工場設計
  • Rejoin(再び集まる):地域の特産品を原材料とした商品を地元の大学や企業と共同で開発
  • Rehabilitate(再び働く):女性の働きやすい環境づくり
  • Retry(再び想う):お客様とともに、地域の皆様とともに、社員とともに

という当社の「5つのRe」という方針のもとで新工場建設プロジェクトを進めました。

亘理町に業界シェアNo.1の化粧品“舞台屋”を生産するランドマーク的な施設が建てばという地域の期待を受け、スタイリッシュな建物になる様に設計の方と綿密にディスカッションを行いました。

─今回、当社をパートナーにお選びいただいた理由をお教えいただけますでしょうか。

画像当初は特定の建設会社を候補としていませんでした。展示会“インターフェックス ジャパン”で様々な施工業者のブースを拝見し、大成建設ブースにいた説明員の方が丁寧に対応して頂いたことが印象的だったため、後日、大成建設へお声掛けするきっかけになりました。展示会後には御社のメールマガジンを購読し、施設計画の参考になる記事は社内で情報を共有していました。

これまでの施設の建設では、当社の社員がGMPに対する考え方を学び、施工業者に内容を伝え、建設を進める必要があり、担当者の負担は大きいものでした。今回の計画は規模も大きく、医薬品製造施設の建設実績の多い大成建設にお任せできてとても助かりました。

画像宮城県復興の旗印になってほしいと村井知事からの命を受けて、社員だけが「良かった」ではなく、地域の皆様に私たちとの関わりの中で「ここにコスメティック・アイーダがいてくれて良かった」と喜んでもらえる様な『地域ブランド化』という部分にも焦点を当て、プロジェクトを進めました。

─新工場の特徴をお聞かせいただけますでしょうか。

画像当社が製造している製品のうち一部の化粧品原料を含む製品では、アメリカに輸出する際にFDA(Food and Drug Administration:アメリカ食品医薬品局)の監査対象となります。監査をクリアできる安全で安心な製品を製造できる環境を実現できるよう、化粧品GMPに準拠したクリーンルームを備えています。

化粧品の製造環境は人と物の動線の区別が厳しく求められ、動線計画は専門家でないと難しい部分があります。大成建設には生産施設のプロフェッショナルがいましたので私たちからは何も伝えることはなく、完成した工場では交差汚染を防ぐレイアウトとなっています。

また、清浄区域と一般区域はガラスで仕切られ、エントランスからは調合室、廊下からは充填室と包装室を確認することができます。現在は当社のお取引先の方が製造環境を確認するだけですが、将来は、体験型工場見学や社会実習を実施し、地域の産業、また化粧品製造業に理解を深める機会として活用していただきたいと考えています。

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Revivalということで、新工場では、BCPを念頭に、ハザードマップに適合する計画としています。河川の氾濫を想定し、設備機器を水没しない高さに設置するとともに、停電の被害を軽減する自家発電を備えています。また、大震災の際には多くの企業が天井の落下により操業停止を余儀なくされていましたので、柱と天井の構造を強化し、天井の落下を防止する対策を取り入れています。

─当社の印象をお聞かせいただけますでしょうか。

担当された設計の方がとても強い情熱をお持ちの方でした。設計担当者として「ここまで」と線を引くところを、もう一歩踏み込んで、「一緒に考えましょう」、「化粧品会社でしたらこうあるべきじゃないか」と意見をいただきました。その意見を随所に採用しています。
例えば、部屋の壁の色を変え、夜に外から見ると、施設から零れる照明が化粧品のパレットのように見える工夫を施しています。また、製造工程を見ることができる通路の内装は色合いを工夫し、落ち着いた美術館のような雰囲気となっています。

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─貴社の今後の展望をお聞かせいただけますでしょうか。

Rejoinということで、地元の大学や企業と連携して「地産地消の商品開発」をスタートさせました。現在は化粧品原料の調達は海外からの輸入に多く頼っています。東北地方の特産品から天然素材を利用した独自の化粧品原料を作り、全世界に広めていこうという取り組みを行っています。

Rehabilitateとして、女性の働きやすい職場づくりを進めています。従業員全体の70%ほどが女性で、出産や育児に対する支援の仕組みづくりは不可欠となっています。現在21名が産休より復職、2子、3子出産後も3名が復職しています。また、2名が復職準備中です。女性の働く場所を活性化させるという考えのもと、亘理町の男女共同参画基本計画にある「女性の再就業(再チャレンジ)を支援する」という方針を推進しています。

Retryとして、「地域との共生」と「お手伝いできることは何か」という考えから、当社のCSR(企業の社会的責任)をスタートさせました。現在では介護のためにフルタイムで働くことができない従業員のためのフレキシブルな個別労働時間制度を導入していますが、将来的には社内保育施設の新設や、心身に障がいを持たれている方も働くことのできる環境を整えることで、様々な事情を抱えている方でも仕事をすることのできる、地域の皆様と共生できる職場環境作りを目指しています。

─ありがとうございました。

(コンテンツ作成日 2018年6月)

※本コンテンツに記載された情報(役職、数値、固有名詞等)は初掲載時のものであり、
閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。

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