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世界初「新方式6.5型フルスペックハイビジョン液晶ディスプレイ」を具現化できたのは、このクリーンルームがあったからです。

液晶先端技術研究センター 所長 若生 一広 様
青森県工業総合研究センター 部長 千葉 昌彦 様

分野

電子デバイス

2008年12月下旬、東京駅から東北新幹線で約3時間 青森県八戸駅に降り立ちました。東京より少し風が冷たく感じますが青空が広がり、本当に空気がおいしいです。

今回は青森県が進めるクリスタルバレイ構想の研究開発部門で大きな役割を担っている未来技術研究棟に伺いました。研究の成果や、大成建設が建設した施設がその成果を生み出すまでにどのように生かされているのか液晶先端技術研究所センター若生所長、八戸地域技術研究所 千葉部長にお話をお聞きしました。

液晶先端技術研究センター 所長 若生 一広 様

液晶先端技術
研究センター
所長 若生 一広 様

青森県工業総合研究センター 部長 千葉 昌彦 様

青森県工業総合
研究センター
部長 千葉 昌彦 様

─青森県で進めているクリスタルバレイ構想について、ご説明いただけますか?

若生様:
クリスタルバレイ構想とは、FPD関連産業の生産工場の集積と高度な技術・技能者の育成、先端的研究開発を行う拠点を整備するということを目的としています。
我々研究開発部門のミッションとしては青森発の技術を培っていくということが一つの大きな柱です。青森発の技術を製品化、事業化まで結びつけていければと考えています。

─現在どのような研究が進められているのですか?

画像若生様:
さまざまな研究が行われていますが、製品化に一番近いものとしては「OCBフィールド・シーケンシャル・カラー方式 6.5型フルスペックハイビジョン液晶ディスプレイ」の試作品が完成しています。
おそらく世界ではじめて具現化したディスプレイであり、製品化して量産化のフェーズに移るために、関連企業と調整を進めている段階です。

─世界ではじめて具現化された液晶ディスプレイの特徴を簡単に教えて下さい。

画像若生様:
カラーフィルターを使用せずに低消費電力、高精細、高視野角、高コントラストのディスプレイを実現できる技術を採用しています。中小型では困難だったフルスペックハイビジョン表示を高品位で実現できるので、まずは「医療分野」「放送分野」での普及を進めます。
特に医療用では術医手術状況を立体映像で認識することが可能であり、遠隔地医療や若手医師の教育にも使用でき、医療の進歩に大きく貢献できるものと期待しています。

─大成建設が建設した未来技術研究棟は、今回の液晶ディスプレイ開発に貢献しているのでしょうか?

若生様:
不可欠と言ってもいいでしょう。
今回液晶ディスプレイを開発できたのも、この施設のクリーンルームがあったおかげです。

─この施設ならではの特徴はどんなことでしょうか。
ゆらぎを制御できるプロセスエリア

ゆらぎを制御できるプロセスエリア

千葉様:
有機物汚染、分子汚染まで制御している施設ということです。
クリーン度だけ見れば、さらにクリーン度の高い環境を実現している施設は他にもあります。しかし施設全体で考え「電気的変動の制御」や「ユーティリティ品質等の変動の制御」、「微振動の制御」など「ゆらぎ」を制御できるレベルが高い施設となっています。

─提案公募型のコンペで大成建設に決めていただきましたが、「ゆらぎ」を制御できる点が評価されたのでしょうか?

千葉様:
提案公募には4グループが応募し、東北大学の教授や八戸工業大学の教授など数名で組織された審査員の方々が、日建設計と大成建設のグループに決められました。
配管まで含めて有機物汚染制御をし「クリーンルーム内は空気を汚してはいけない」ということを具現化できる技術に関して大成建設さんの提案が一番優れていたということではないでしょうか。

─なるほど大成建設が電子デバイス施設建設のキャッチフレーズとして謳っている「施設全体が精密環境装置」を実現しているわけですね。

千葉様:
研究開発をする際には、どういった部分で最先端が必要になるかは研究を開始する時点ではわかりません。この施設であれば研究開発をする施設として20年は使用できるのではないでしょうか。

─最先端の施設としてコスト削減、エネルギー消費が少なくできていますか。
ユーティリティーエリア

ユーティリティーエリア

千葉様:
我々の施設は生産施設ではなく研究所です。クリーンルーム内の空気は高価なので分子汚染で不良が起こったとしたらお金がかかってしまいます。そういう意味でもクリーンルーム内の空気を汚さないのはランニングコスト低減にもなっています。

また、他のクリーンルームと比較したデータはないので私の直感でしかありませんが、当クリーンルームは、ローカルリターン方式を採用しているので、エネルギー消費量は同規模のクリーンルームの半分ぐらいで済んでいるのではないでしょうか。
この方式だとクリーンルームの中に空気が溜まっている時間が長くなり、本来であれば汚染制御が難しいと言えるのですが、構造体もメッキですし化学汚染物質除去ユニットも導入しているので汚染制御ができていると言えます。

─工事中の大成建設社員の仕事ぶりで記憶に残っていることはございますか?

画像千葉様:
2003年10月に着工しましたが、融雪剤がクリーンルームに悪影響を与えるので融雪剤を撒く季節になる12月までに建物6面体を完成させるという超短工期で工事を進めていただきました。
また、施工中からクリーンルームの外部からの汚染防止のための陽圧管理をしていただくなど汚染物質の制御、管理は徹底されていました。

─今後、大成建設に期待したいところはございますか?

若生様:
建物という意味も含めて新しい技術やソリューションを惜しみもなくご提供いただける姿勢が素晴らしいものだと感じています。
また我々のスピードを求めた無理な要求にも迅速に行動し、ご協力いただけるのが非常にありがたいです。
大企業ですと対応に時間がかかるのではないだろうかと思っていましたが、大成建設さんは我々のニーズを捉えた小回りのきくところが素晴らしいと感じています。今後も期待していきたいです。

中央:財団法人 21あおもり産業総合支援センター 部長 岩本 紳一郎 様、左:液晶先端技術研究センター 所長 若生 一広 様、右:青森県工業総合研究センター 部長 千葉 昌彦 様

中央:財団法人 21あおもり産業総合支援センター 部長 岩本 紳一郎 様
左:液晶先端技術研究センター 所長 若生 一広 様
右:青森県工業総合研究センター 部長 千葉 昌彦 様

─ありがとうございました。

(取材日 2008年12月19日)

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