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保有不動産の最適化を図る─CRE戦略

CRE戦略

分野

その他(製造業)

課題

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お困りごと

都内の一等地にある築20年を過ぎた本社ビル、本社ビルの改修と工場の増設の両方を行いたいが有利子負債は抑制したい。今後の経営戦略に基づき企業の成長のためにもどうしたらいいだろうか?

1.大成建設には、本社ビルの改修工事についてご相談がありました。

一般的に、自社使用している事務所ビルの活用方針としては次のような選択肢が考えられます。

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2.お客様の本社ビルには、次のような問題がありました。
浮き上がってきた問題点
  • お客様の合理化努力で本社機構がスリム化されており、改修したとしても現在の面積は必要ない(実際に複数のフロアが遊休化していた)。
  • 遊休フロアを第三者に賃貸しようにも、共用スペースや空調設備などがそれに対応しておらず、改修工事が大掛かりになる上に賃貸可能面積も十分に確保できず、収支上事業として成立しない。
  • 機械式駐車場が地下深くに設置されており、建て替えまたは解体して売却するには多額の工事費と期間が必要となる。
3.お客様とあらためて意見交換を行ったところ、下記のようなご事情もあることが分かりました。
お客様の事情
  • 工場の増設も近々着手する必要がある。資金調達について有利子負債は抑制したい、増資も数年前に実施したばかりである。
  • 本社ビルの簿価が低く、現在の地価水準ならば本社ビル売却により工場の増設に必要な金額以上の含み益の実現が期待できる。
大成建設の調査─市場動向が明らかに
  • 立地は都心の人気エリアであり、現状の建物のままでも売却が可能と考えられる。
4.大成建設の提案
本社ビルを現状のまま入札方式で売却し、売却益を工場の増設に充てる
新本社は十分な機能を備えた賃貸ビルに移転する
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5.お客様の決断 本社ビルを建物付きで売却し、賃貸ビルに移転

お客様の方針が決定
大成建設はグループ企業も含めて、次のようなお手伝いをいたしました。

A.入札の事務局業務(入札要項や契約関連書類を作成し、窓口となりました)
B.売買契約の仲介業務(契約締結から引渡しまでサポートいたしました)
C.移転先の紹介業務(お客さまのニーズに合致する賃貸ビルをご紹介いたしました)

その結果、地価の下落が取り沙汰された時期であったにもかかわらず、概ね予想された金額で落札者が現われ、また移転先についても好条件の賃貸ビルが見つかりました。

6.お客様のメリット
  • 資産効率の向上
  • 財務体質の強化
  • 工場の増設も実現し、本業の強化につながる

本件では、本社ビル単独の最適化ではなく、お客様の経営戦略全体を視野に入れてCRE(企業不動産)全体の最適化を目指した結果、資産効率の向上と財務体質の強化を実現することができ、CRE戦略の実践の好例となりました。

■本社ビル売却に伴う会計上の効果(数値は簡素化しています。一部推定値を含みます。)

 

移転前(各年度)

(移転年度)

移転後(各年度)

資産の概要

土地:約120坪
建物:約1,000坪
(実質利用600坪)
賃料負担なし

土地建物売却額:
税別 3,000,000千円
移転費用:
100,000千円

土地負担なし
建物(賃借):約500坪
賃料:坪10,000円(月額)
共益費:坪3,000円(月額)

【貸借対照表】抜粋

(建物)減価償却後
(土地)
(敷金)

300,000千円
600,000千円
0円

 

0円
0円
60,000千円

固定資産

900,000千円

 

60,000千円

【損益計算書】抜粋

(建物管理費)
(保険料)
(土地公租公課)
(建物公租公課)
(減価償却費)
(事務所賃料)
(事務所共益費)

年36,000千円
年1,000千円
年9,000千円
年5,000千円
年11,000千円
年0円
年0円

 

年0円
年0円
年0円
年0円
年0円
年60,000千円
年18,000千円

販売費及び
一般管理費

年62,000千円

 

年78,000千円

(固定資産売却益)

 

2,000,000千円

 

特別利益

 

2,000,000千円

 

本社ビルに直接関連する費用だけを見ると単年度ベースでは増加していますが、当初の予定通り改修しながら使い続けた場合には、設備の更新などで多額の費用が今後必要となる上、いずれ売却する際には建物を解体する(または解体費用を売主が負担する)必要が生じる恐れがあります。
本件では建物付きでの売却を実現するとともに、借入金に頼らずに工場の生産設備を増設することができ、余剰資金で従来からの借入金を一部返済することとすれば支払利息の削減も可能となります。

お客様はこのようなメリットとデメリットを総合的に比較考量されて、本社ビルを建物付きで売却し賃貸ビルに移転することを決断されました。

大成建設担当者より

不動産投資企画室長 泉 長彦

画像従来の不動産営業のあり方は、お客様のご希望に沿った土地探しや遊休土地の処分のお手伝いなど、個別案件ごとの関わりがメインでしたが、最近は、業務拠点の再編案を相談されるなど、お客様の間でも保有不動産を全体として見たときの優先順位に対する関心が高まっていると感じていました。

大成建設も、不動産投資企画室が窓口となって各部署の専門知識を結集し、お客様がお持ちのすべての企業不動産(CRE)から判断して個別案件の最適な活用策を提案したいと考えています。
そのためには、お客様とより深い信頼関係を築き、多様なシナリオを作成しながら不良資産をなくしお客様の企業価値最大化のお手伝いをしていければと考えています。何なりとご相談下さい。

※本コンテンツに記載された情報(役職、数値、固有名詞等)は初掲載時のものであり、
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