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新発見の微生物で、ベンゼン汚染土壌を浄化。

DN11株

分野

環境

課題

土壌浄化

お困りごと

工場やガソリンスタンドなどの用地において、石油系汚染物質のベンゼンによる土壌や地下水の汚染が問題となっている。
従来のベンゼン浄化技術はコストが高く、場合によっては土地の浄化コストがかかりすぎて、開発や売買の出来ない土地となってしまう問題(ブラウンフィールド問題)が表面化している。
より低コスト・低環境負荷な浄化技術はないだろうか。

新発見の嫌気性ベンゼン分解菌「DN11株」

土壌・地下水汚染浄化では、汚染物質や状況によって適切な浄化技術を選択することが必要です。近年では低コスト・低環境負荷な浄化技術のニーズの高まりに伴い、微生物(バイオ)の力で汚染を浄化する技術(=バイオレメディエーション)が注目されています。大成建設では早くからそうした時流に乗り、バイオを用いた浄化技術の開発に力を入れてきました。

DN11株(電子顕微鏡写真)

DN11株(電子顕微鏡写真)

大成建設と海洋バイオテクノロジー研究所は、嫌気(酸素の無い)環境下でベンゼンを分解可能な「DN11株」を、ガソリン汚染地下水から発見しました。ベンゼンを嫌気分解できる菌株としては世界で2例目となる大発見です。
1μm(1/1000mm)ほどの小さな菌体は、一体どのような効力を発揮するのでしょうか。

国際的評価 1(ベンゼンを嫌気分解できる単離株として世界で2例目であることを報告)

国際的評価 1(ベンゼンを嫌気分解できる単離株として世界で2例目であることを報告)

「DN11株」の特長と効果

従来のバイオレメディエーションでは好気性ベンゼン分解菌(酸素のある環境下で増殖)を利用して浄化を行いますが、ベンゼンで汚染されている土壌や地下水は一般的に酸素の存在しない嫌気環境となっているため、浄化の際には酸素を供給することが必要不可欠でした。
それに対して、「DN11株」は酸素が存在する好気環境だけでなく、嫌気環境でもベンゼンを分解する能力を有しているため、酸素の供給を行う必要がありません。

DN11株によるベンゼン汚染地下水の浄化イメージ図

DN11株によるベンゼン汚染地下水の浄化イメージ図(拡大)

その結果、

  • 低コスト・省エネルギーを実現(揚水処理と比較して、浄化コスト3割減)
  • 浄化に必要な設備が少ないため、狭小エリアでの浄化が可能
  • 浄化中の騒音・振動などの影響が少なく、住宅地等でも実施可能

など「DN11株」を用いた浄化方法は、様々なメリットが存在します。

「DN11株」を導入した場合の浄化効果は、実際にベンゼンで汚染された嫌気状態の地下水を用いて、世界で初めて実証しています。

国際的評価 2(嫌気性ベンゼン分解菌の導入効果を世界で初めて実証したことを報告)

国際的評価 2(嫌気性ベンゼン分解菌の導入効果を世界で初めて実証したことを報告)

適合確認書類(平成21年5月29日)

適合確認書類(平成21年5月29日)

また、大成建設技術センターでは各種試験を実施し、「DN11株」がヒトや環境に悪影響を与えない安全・安心な菌体であることを確認。「DN11株」を用いた浄化事業計画は、環境省・経済産業省の定めた『微生物によるバイオレメディエーション利用指針』の適合確認を今年5月に受け、ガソリンスタンドやベンゼンを取り扱う工場での今後の実浄化事業への展開に向けて準備を進めています。

DN11株の病原性および生残性

DN11株の病原性および生残性

大成建設担当者より

技術センター 土木技術研究所 水域・環境研究室 環境技術チーム 高畑 陽

画像「大成の人×技術」をご覧ください。

(コンテンツ作成日 2009年9月)

※本コンテンツに記載された情報(役職、数値、固有名詞等)は初掲載時のものであり、
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高畑 陽

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