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長く使われるには、理由がある 長く愛される建物の“なかなか見えない”改修計画

株式会社ヨックモックホールディングス ヨックモック青山本店

分野

その他(非製造業)

課題

施設計画, リニューアル

施設紹介

“直営の店舗を設けて、できたてのお菓子をまごころのサービスと共に提供したい”という創業者様の想いから、1978年に南青山 みゆき通りに事務所を併設して建設されたヨックモック青山本店。“長期使用を考慮した設計のもとで建設されるとともに、長年にわたり適切に維持保全され、さらに今後相当の期間にわたって維持保全されることが計画されている模範的な建築物”として、2017年、第26回BELCA賞ロングライフ部門を受賞しました。

1978年当時の青山本店

1978年当時の青山本店

「欧風のカフェのような中庭を持つ喫茶室を作りたい」というヨックモック様の要望を受け、藤本昌也氏(株式会社現代計画研究所)を中心に設計、大成建設により施工された建物は、

  • 街並みにアクセントを与えるブルータイル
  • 周辺建物のスカイラインにアクセントを与える建物の高さ
  • 通りよりレベルを上げた位置に中庭を設け、ゆっくり過ごせる落ち着いた空間

という特徴を持ち、周期的に修繕を加えながら、40年もの間、青山のランドマークとして訪れる多くの方々に親しまれ続けました。

老朽化した設備更新の検討を機に施設活用のご検討を開始され、建て替えではなく改修して活用するというご決断をされ、築38年となる2016年に竣工当時の姿とスペースコンセプトは維持しつつ、要求性能に対応した施設としてリニューアルオープンされました。

改修計画

改修にあたり、竣工当時の設計思想を踏襲しながら、ヨックモック様のイメージを丁寧に表現すべく、

  • 長く親しまれた姿を残す
  • よりよいおもてなしの空間をつくる
  • より安全で快適な建物をつくる

の3つを改修コンセプトとしました。

1.長く親しまれた姿を残す

38年もの間親しまれてきた外観は、形状や色彩ともに変わらぬ姿で保存することとしました。外装は印象的なブルーとホワイトのタイルをそのまま維持し、特に立体的な形状を持つブルータイルは、劣化部分の張替え用ストックが不足したため、同じ形状と色で新規製作されました。38年の時間を経たものと同じ色艶とするために、何度も見本焼きを繰り返し試行錯誤を重ね、ブランドカラーである象徴的なブルーを再現しました。

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“良いものは残し、より引き立たせる”という考えのもと、新築時の面影を残すために正面の門扉やガラス戸の真鍮の取っ手などの仕上材の保存を行いました。

エントランス石張り仕上げ(保存)

エントランス石張り仕上げ(保存)

エントランス扉(保存)

エントランス扉(保存)

鋳物扉(保存)

鋳物扉(保存)

2.よりよいおもてなしの空間をつくる

喫茶スペースとして活用していた中庭もリニューアルしました。会社のシンボルとなっているハナミズキの木は、施工中でも影響を受けない様に細心の注意が払われました。

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動線計画を見直し、上階オフィスへのエントランスロビーを一般の方に開放、平面計画を変更してエントランスロビーとカフェラウンジに回遊動線を新設しました。テラスからはロビーに展示されている美術品を鑑賞することができ、非日常の時間をゆっくりと過ごすことができる演出がなされています。

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ブルータイルの外観を引き立たせる白を基調とした内装を採用しました。

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お菓子のぬくもりを表現したファブリック貼り

お菓子のぬくもりを表現したファブリック貼り

柔らかな木の手摺造作

柔らかな木の手摺造作

北欧をイメージした柄の壁

北欧をイメージした柄の壁

株式会社ヨックモックホールディングス
経営企画部 経営企画グループ リーダー 豊田 雅俊 様

画像お客様に長く親しまれてきた建物のイメージを崩さぬよう、今回のリニューアルプロジェクトでは“外観の見た目”の維持にも注力しました。そのため改装前と一見変わっていないように見えますが、老朽化した設備を更新することによりお客様がより安全に快適にお過ごしいただける空間にしています。

今回の工事に関しましては、社内での関心が高かっただけでなく、道行くお客様からも営業再開に関する多くのお問い合わせを頂きました。改めて皆様から愛していただいている施設であるということを認識し、より一層維持保全への責任感が高まりました。

3.より安全で快適な建物をつくる

画像事務所は要求の変化に合わせ、OA化に対応した設備計画とし、圧迫感を抑える為に可能な限り天井高を上げています。環境対策として、高効率空調機、全熱交換機、LED照明を採用、さらに外壁の断熱性を向上させ、従来と比較して30%の省エネルギーを実現しました。また、より安心で安全な建物となるよう、天井落下防止対策を施し、非常用発電機や備蓄倉庫を備えています。

設計本部 建築設計第三部 髙橋 英明

リニューアルした内装は、ヨックモック様のお客様に対する“まごころの温かさ”を感じられる仕上材料を使用し、保存する外観と調和する計画を心がけました。

外観の保存や使い勝手の変更などのお客様からの要望に応えることはもちろんですが、今後も永く安全に快適に使い続けるためにどうあるべきかを専門家の立場から考え、断熱性能の向上や地震時の天井落下防止による安全性向上などの提案をしました。

株式会社ヨックモックホールディングス
経営企画部 経営企画グループ グループ長 島倉 夕紀子 様

画像ひとつの建物の中に、お客様のスペースと従業員のスペースが近い距離で共存してしまいます。非日常を楽しまれているお客様の視界に従業員の日常を持ち込まないよう、動線や視線制御の面では相談に乗って頂き、細かい調整を行いました。

竣工した当初は、当時では珍しい様な欧風スタイルのカフェやオープンテラスといった新しいスタイルで、訪れる方に「異空間」や「異国の風」を感じて頂いておりました。今後も様々なことを発信し続け、“来ることで何かを感じられる”場所にしていきたいと思っています。

施設概要

所在地

東京都港区南青山5-3-3

竣工

1978年

改修

2016年(築38年時)

設計者

現代計画研究所(新築時)、大成建設(改修時)

施工者

大成建設(新築時、改修時)

URL

https://www.yokumoku.co.jp/

(コンテンツ作成日 2018年9月)

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