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鏡視下手術の正確性・効率性をサポートする新システム

T-Fogless Flow

分野

医療・福祉

課題

施設計画

お困りごと

従来の手術室では、腹腔鏡を用いる鏡視下手術を行う際、天井部に設置された空調から吹き出す冷気の影響によって、腹腔鏡が低温化することでレンズが曇り、手術の妨げとなる。
対策として、(1)腹腔鏡本体を加熱する(2)曇り止め剤を塗布する等を行っているが、確実にレンズの曇りを防ぐことはできない。空調温度を30℃に設定し、レンズが曇らないように配慮する方法もあるが、暑さに耐えながら手術を行わなければならない状況である。

手術中にレンズが曇ると手術の中断を余儀なくされ、手術時間の延長につながり患者に負担がかかってしまう。また、手術室内が高温では執刀医やスタッフに精神的・身体的負担がかかる。確実な解決策として、何か方法はないだろうか。

手術の正確性・効率性をバックアップ!
患者・執刀医・スタッフにメリットをもたらす手術空間の構築

大成建設は、内視鏡手術のエキスパートである金平永二先生(現メディカルトピア草加病院(当社設計・施工)院長)からの要望を受け、腹腔鏡の曇りを防ぎ、患者・執刀医・スタッフにメリットをもたらす手術空間を構築するため、鏡視下手術用の空調システム「T-Fogless Flow」を開発しました。

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「T-Fogless Flow」では、術野(手術する部位まわり)である患者の腹部まわりにのみ温風を送風して高温空間を形成する一方、執刀医・スタッフエリアには冷涼風を送風して冷房空間を確保し、腹腔鏡の低温化によるレンズの曇りを防止します。
これにより、

  1. レンズの曇り防止対策にかかる手間を省き、手術時間が延長する危険性を排除する
  2. 執刀医・スタッフにとって快適な室温を保ち、身体的負担と精神的ストレスを軽減する
  3. 術野に温風を送風することで、患者の低体温化を抑制し身体的負担を軽減する

など手術の正確性・効率性アップを支援するとともに、患者・執刀医・スタッフにメリットをもたらす手術空間の構築を可能にしました。

また、本システムは、温風の吹き出し空気の稼働・停止やその温度に関わらず、手術室全体における空調空気量を確保して術野を陽圧かつクリーンに保てるため、腹腔鏡手術以外にも様々な手術環境に対応可能です。

設計本部 設備設計第一部 田村 健

画像「T-Fogless Flow」は病院と連携し、実際の手術環境下での実測に基づいて開発した初めての空調システムです。開発においてはメディカルトピア草加病院をはじめ、そのグループ母体である上尾中央医科グループの多くの方々にご協力いただきました。

実際の手術に立合い、腹腔鏡がどのような手順で使われるのか、術野と執刀医・スタッフエリアの温度・湿度はどのくらいか等を確認しました。また、腹腔鏡レンズが曇る条件を洗いだすため、手術で使われる医療機器と腹腔内を再現した疑似腹腔チャンバーを組み合わせた実測装置を用いて、手術室内での実測を行いました。その結果、腹腔鏡レンズが曇らない術野まわりの温度を見出しました。

手術室内での実測風景

手術室内での実測風景(拡大)

「T-Fogless Flow」の最適な吹き出し温度および、術野のクリーン度を保つために必要な吹き出し風速の数値を割り出したうえでシミュレーションを繰り返し、一つ一つ検証しました。さらに、メディカルトピア草加病院に導入された後、実地検証を行うことでシミュレーションどおりに運用されることを確認しています。

シミュレーションによる効果の検証

シミュレーションによる効果の検証

導入後の実地検査

導入後の実地検査(熱画像にて高温域、冷涼域の形成を確認)

2012年5月末時点では、約100件の手術にて実証済みであり、本システムの開発に際してご指導ご助言等をいただいた金平院長先生からも「手術時間の短縮と、執刀医・スタッフのストレス軽減を実現しています」とご好評いただいています。

パンフレットのご案内

  • 鏡視下手術用空調システム『T-Fogless Flow』

パンフレットをご希望される方は、下記「お問い合わせ/資料請求フォーム」よりご請求ください。

(コンテンツ作成日 2013年7月)

※本コンテンツに記載された情報(役職、数値、固有名詞等)は初掲載時のものであり、
閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。

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