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お客様の視点に立って、従来の平面から立体へ発想転換。

設計本部テクニカルデザイン開発グループ シニア・アーキテクト
高取 昭浩

分野

食品, 医薬品, ものづくり, 医療・福祉, データセンター

テーマ

ビジネスチャレンジ, 空間創造, テクノロジー

唐突ですが、想像してみてください。
自分の家を建てるとしたら、どのような家にしたいですか?

部屋の間取りから、窓や扉の位置・数など細かな部分まで、たくさんの要望が出てくると思います。そのような建物のイメージは、理想の建物を建てる上での基盤となり、建てたい側や建てる側として関わり合う多くの人々の間で全ての情報が正確に共有されることが望ましく、そのために欠かせないツールの1つが設計図面です。

設計図面と聞くと、多くの人が建物の情報を2次元で書き込んだ紙面を思い浮かべると思いますが、大成建設では3D(3次元化)画像を用いて図面を作成し視覚化することのできる設計ツール「BIM」を実際の設計案件に活用しています。

大成建設が「BIM」にいち早く着目し、設計手段としての導入を果たした背景には、一人の設計者の熱意と努力が存在しています。

誰もが認識できる建物のイメージを、3次元で表現

入社後、設計本部に配属され1995年頃から設計を支援するためのIT技術を開発する部署で設計プログラムの開発に携わっていました。CADの導入などもあり様々な建物を分析していく中で、従来の2次元図面で起こりうる平面図、立面図、断面図の不整合性をどうにかしたいと思うようになりました。
不整合性は、もともと3次元の立体である建物を紙という平面媒体に2次元で落し込んでいるために起こる、いわば自然の歪みであり、立体を2次元の平面で表現すること自体に限界があると考えるようになりました。

また、お客様にとって2次元の設計図面から完成後の建物のイメージを想像することができているのだろうかという疑念も抱くようになっていました。建物ができあがってからお客様に「イメージと違う。」と言われてしまうことは最も避けたいことの一つです。
建設に関わる誰もが完成する建物を簡単にイメージでき、そのイメージを共有することができる設計プログラムを構築できないだろうかと模索していたところ、3次元で建物を設計することのできる「BIM」に出会いました。

「BIM」から展開させ、建物の全情報を管理

「BIM」の活用はお客様や我々設計サイドの双方に様々なメリットをもたらします。
例えば、お客様と我々との間で交わされるコミュニケーションの質を高められることをはじめ、設計情報をデータとして一度保存しておけば、お客様との打ち合わせで出てきた変更点をその場で随時追加・修正することが可能になるため、業務のスピードアップを実現することもできます。

構造体を3D化

構造体を3D化(拡大)

意匠の材料をインプット

意匠の材料をインプット(拡大)

「BIM」を知れば知るほどその効果と可能性の幅広さを実感し、実務レベルでの活用を可能とするため、大成建設では2005年から導入を進めてきました。
2007年頃には社内の環境も整い、今では建物用途を問わず全ての設計案件の50%以上に活用しています。さらに「BIM」を基軸に様々な技術を複合させ、付加価値を伴う新しい技術の構築を目指して開発を進めています。

例えば、「BIM」と既に実用化されている「VR」を連携させた可視化技術では、建物の完成後のイメージを実物大の空間シミュレーションとして構築することができ、お客様と共に空間をシミュレーションすることで建てる前から建物の細かな部分まで正確に確認することが可能になりました。
現在は建物の維持管理分野への応用技術を開発中ですが、この技術が確立されれば建物の隠れた部分にある設備機器や構造部材などの詳細情報をデータにインプットし、設置日や交換日などもデータ上で簡単に確認できるようになります。現在のような壁の中の構造は大体分かるという曖昧な状況を打破し建物の全情報をデータ上で管理できるようにするのが理想です。

多種多様な分野で「BIM」と融合した新しい技術を創出するための取り組みは、大成建設の総合力を発揮できる力の見せ所です。

既定概念に捕われず、一歩踏み出せる姿勢が大切
BIMを実演中!(2010年 ファインテック・ジャパン展示会、当社ブースにて)

BIMを実演中!(2010年 ファインテック・ジャパン展示会、当社ブースにて)

新しいことを生み出すきっかけは、暗黙の了解やルールとなっていることをあえて分析し、明確化することから生まれると考えており、私が「BIM」に取り組むようになったのもその信念が行動となって表れた一環でした。新しいことへの挑戦には苦難も伴いますが、お客様の視点を常に持っていれば、既定概念に捕われず何が必要で何をしなくてはならないのかということが見えてくると思います。

挑戦する姿勢は常に必要であり、その結果として生まれた新技術を分かりやすくお客様にお伝えしていかなくてはならないと考えています。良い技術でも、その技術の必要性を理解してもらえなければ宝の持ち腐れとなってしまいます。

多様な技術力を複合させ、お客様が「欲しかった」と思える技術を提供していくことは我々の使命であり、新しい技術が必要であると確信すれば、たとえ既存のものと相反する内容であっても徹底的に追求していく姿勢を大事にしたいです。その結果、大成建設ならではのオリジナル技術の構築に繋がっていくことが理想です。

プロフィール

画像高取 昭浩
設計本部テクニカルデザイン開発グループ グループリーダー
1989年入社 一級建築士

15年前よりCAD関連の開発に従事し、2次元CAD上のアプリケーションを作成してきたが、5年前からBIM(Building Information Modeling)に取り組み、建築設計情報のあるべき姿について、研究開発を行っている。より分かりやすく、より簡単に、より早く関係者間で建築情報を共有するために、BIMをより身近なものにしようと試みている。

※本コンテンツに記載された情報(役職、数値、固有名詞等)は初掲載時のものであり、
閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。

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