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理想の病院づくりに大切なのは、「病院をエンジニアリングすること」です。

エンジニアリング本部 医療・研究施設グループ
浅尾 敏隆

分野

医療・福祉

テーマ

ビジネスチャレンジ, メディカル・ヘルスケア

大成建設では、エンジニアリングのリーディングカンパニーとして40年以上にわたり数多くの医薬品施設や研究施設などを生み出してきました。そのエンジニアリングの知識・経験を病院などの医療福祉施設づくりにも活かす取り組みを、グループを立ち上げ推進しています。今回は、エンジニアリング本部 医療・研究施設グループの浅尾グループリーダーにお話を伺いました。

─2010年4月に医療・研究施設グループが立ち上がりましたが、なぜこのタイミングだったのでしょう。

近年、国内の医療福祉施設の案件が増えてきた経緯を受け、医療・研究施設に特化したエンジニアリングの役割や技術を強化するために専門チームをつくりました。グループリーダーになり2年目を迎えます。それまでは医薬品製造施設や研究施設のエンジニアリングに携わってきましたが、それらの施設を、薬を生み出す「川上」と捉えると、薬を使用する病院は「川下」となります。大成建設としては、食品、化粧品などと併せてトータルでライフサイエンスエンジニアリングに携わっているところです。

─今までも大成建設は医療福祉施設を数多く作ってきましたが、なぜエンジニアリングの重要性が高まってきたのでしょうか?

プロジェクトによってはエンジニアリングが一体となって取り組んでいないものもあります。設計は設計事務所、施工のみを大成建設が担当することもあり、その場合、たとえば、看護師が医薬品をどう運び・どこに置き・どの患者さんに持っていくのかなど、病院における運用について把握し、問題があれば原因を見極め、施設づくりにおける改善点を提案するという運用計画や機能設計まで考えられていない場合もありました。
施設によっては長期間利用していく中で運用に不具合が生じてくる場合もあるとお聞きします。この気付きを、お客様にエンジニアリングの視点を入れてご提案していく必要があると考えています。

─エンジニアリングの視点が入ることで、お客様の施設にプラスされることはどんなことでしょうか?

完成後の施設の運用に合わせて動線や機器、それらと建物との取り合いなどを一緒に考えながら施設づくりに取り組むこと、つまりエンジニアリングを行うことで運用計画や機能設計にまで踏み込んだ提案ができると考えます。

医療福祉施設の中でも特に病院は、医療機器、医薬品・診療材料などの物品類、医療関係者や患者さんなど様々な要素で構成されており、単にハードを作るだけでは、社会的ニーズや行政動向の変化に合わせて施設を更新していくことが困難です。
環境が激変する中でお客様が抱えている経営課題を解決していくためのサポートを行いながら、長期に渡り利用できる施設をつくるためにエンジニアリングの視点が大切だと考えます。

病院で構成されている要素の一部

病院で構成されている要素の一部

─具体的にできることを教えていただけますか?

たとえば、病院を新築もしくは改築する際、医師・看護師・診療を支援するスタッフなどの医療関係者や患者さんの動線、医療機器・診療材料の運用の考え方によって病院の機能は変わってきます。目指すべき病院のあり方に近づけるよう、それぞれの要素を落とし込みながら病院づくりを行います。具体的には大きく4つのソリューションを用意しています。

院内全体のシステム概要図(導入ステップ)

院内全体のシステム概要図(導入ステップ)
(拡大)

  • MRIやリニアックなどの医療機器の提案
  • 電子カルテなどの医療IT導入の提案
  • 院内物流(SPD)や保管方法の提案
  • 運用調査による改善提案

これらをきっかけにお客様のニーズを引き出し、具体的な提案をさせていただいています。運用調査では医師や看護師に現状で困ったことなどについてアンケート調査を行い、原因を抽出し、お客様が気付かれていないことの改善策を提案しています。お客様には「解決すべきポイントが見える化されて非常に良い。」という感想をいただいています。

─お客様の間で、「病院をエンジニアリングする」という考え方は浸透しているのでしょうか?

徐々に認知されてきているとは思いますが、医療福祉施設は生産施設や研究施設とは異なり、モノを生み出したり作り出す施設ではないため、エンジニアリングの考え方が浸透しにくい傾向にあります。医療福祉施設において最も重要視される点は、患者さんの満足度と医療関係者の働きやすさです。たとえば医療機器の選定は医師の使いやすさが最優先されるため、メーカーとの結びつきが強くなります。それは、医師が人の命を預かる職業であることを考えれば、医師の利便性が優先されるのは当然のことです。

しかし医療機器の更新によって今までと動線が変わるなど周辺スタッフの作業効率が悪くなってしまうことも考えられます。私たちはそのことを踏まえた上で、お客様にとってメリットは何かを考え提案をしなければなりません。

─人が人をケアする、医療福祉施設の特性ゆえの難しさと言えますね。
最後に、今後の展開についてお聞かせください。

我々の取り組みを広く知っていただくために、社外・社内に向けて積極的に広報活動を行いネットワークを強化していきます。年月はかかると思いますが、中長期的な視点で多くのお客様と信頼関係を築いていければと考えています。今までの医療福祉施設づくりとは少し違うかもしれません、しかし、その「少し」踏み込んだソリューションを知って頂ければ、将来を見据えた施設運営をしていただけると考えています。
的確なソリューションを提案できるエンジニアリング力は私たちの強みです。エンジニアリング力を発揮し、ハードとソフトが噛み合った理想の医療環境づくりのお手伝いをさせていただければと思います。

─どうもありがとうございました。
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