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大成建設のリニューアル特集 第11回 リニューアルテーマ「非構造部材(天井)の地震対策」その2

前回は、東日本大震災において非構造部材である天井の脱落事故が広範囲にわたって発生し、さまざまな施設において多大な被害を受けたこと、そのような状況を踏まえ、国土交通省が、天井の脱落を防止し、安全性を高めるために関連法令を改正したことをお伝えしました。

今回は、これらの動きを受けて当社でどのような対応をおこなっているのかを、ご紹介します。

ご相談の受け入れ体制を整備

当社では法令改正の動向を踏まえ、2012年夏より対応体制を整備してきました。
法令改正に関する最新情報を常に入手することはもちろん、それまでの対応事例を集め、相談の受け入れと対応の進め方を整理しました。また、天井の現状調査手法の確立、新技術の開発など、社内の技術部門と営業部門が一体となって法令改正への技術的な対応とお客様からのご相談への対応体制を整えました。

体制と進め方

お客様からのご相談件数の増加に備えて社内の対応体制を明確化して情報を一元化、ひとつの事案で得られた情報、ノウハウを以降の事案で活用できるようにしています。全社の関連技術、ノウハウを持ち寄り、設計・施工マニュアルに反映・更新し、お客様のご相談に対し、最適な提案をできるように体制を整えています。

また、進め方についても標準化を図り、ご相談の入り口から対策の実施とフォローまで、一気通貫で迅速に応えられるようにしています。

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ご相談への対応フロー

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法令改正に関する最新情報と、当社の対応の進め方をご説明します。
同時に、対象施設の諸元や利用状況に関する情報をお教えいただきます。
また、お客様のご相談の根底にあるニーズについて確認します。(安全確保なのか、事業継続確保なのか等)

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天井裏の施工状況や部材の劣化の進行状況等を調査し、現状を把握します。併せて設備の取り付け状況なども確認します。これは必要に応じて、調査報告書としてとりまとめます。
また、調査・記録のために後述の「球体パノラマ画像システム(T-Siteview)」を使用します。

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お客様のニーズと現状の調査結果、施工上の諸条件をもとに、さまざまな関係部門の知識とノウハウを持ち寄り、総合的に判断して、お客様のご相談に対する最適な対策案を提案します。
提案の内容についてお客様と協議し、採用する対策を合意します。

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お客様と合意した対策案をもとに実施設計を行います。
実施設計完了後、設計内容にもとづき施工します。

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対策実施後は図面とともに記録写真を残し、実施内容についてお問い合わせがあった時にすぐに応えられるようにします。また、ご要望に応じ、T-Siteviewにて施工後の記録を残すことも可能です。

ご相談への対応を支える技術

対策手法の4分類

当社では天井の地震対策手法を次の4つに分類し、お客様のご要望と諸条件を踏まえ、それぞれの組み合わせを含めた最適な対策案をご提案しています。また、併せて、設備の地震対策についてもご提案いたします。

対策手法の4分類

対策手法の4分類(拡大)

調査と診断、対策の提案を支援するT-Siteview

お客様からのご相談に対応する上で重要なキーとなる調査・診断、対策の提案(お客様との合意形成)において、当社が独自に開発・改良を重ねてきた球体パノラマ画像システム(T-Siteview)を活用しています。これは360°の画像を自由な視点で見ることが出来る仕組みです。

T-Siteview

T-Siteview

T-Siteviewとは、回転式の台座とデジタルカメラ、パソコンを組み合わせたシステムで、工事前に天井裏にある空調機器や部材などの状況を細かく把握できる調査技術を実用化したものです。

このT-Siteviewを用いることにより、普段目にすることがなく、図面や通常の写真ではなかなか理解しづらい天井裏の設備を含めた現在の状況と提案内容を、あたかもその場にいるような臨場感を持って確認していただけます。これにより、お客様と当社の担当者が認識を共有しながらプロジェクトを進められるようになります。
また、対策を講じた結果をT-Siteviewで記録することで、どんな状態に改良されているかを確認でき、対策への安心感が得られます。

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撮影時間は1箇所あたり概ね15分程度で、調査時間を大幅に短縮できるとともに、その場で撮影画像を処理して球体パノラマ画像を生成し、閲覧できます。
お客様においては、施設管理部門のご担当者自身が臨場感あふれる球体パノラマ画像で現況や対策案を把握しやすくなるだけでなく、施策の意思決定をおこなう上席や他部門に説明する際にも球体パノラマ画像を利用することにより理解を得られやすくなることが考えられます。

最後に

当社は、お受けしたご相談に対し、お客様の要望と施設の利用上の諸条件、調査の結果等をふまえ、最適な対策案をご提示します。
次号では、その対策の具体的な技術についてご紹介いたします。

天井の安全性を高めるためには、天井そのものだけでなく、天井裏や天井面に設置されている設備の落下防止対策も必須です。築年数が経過し、それらの設備が古く(設備の種類や諸条件によって異なりますが、概ね15〜25年程度が目処)なってきている場合、それらの更新も落下防止対策と併せてご検討ください。工事を一度で済ませてコスト削減を図れるだけでなく、大幅な省エネを図れる可能性もあります。

また、これら地震対策や省エネ工事については、国や自治体からの補助金や助成金を受けられる場合があります。
天井と設備の安全・安心の獲得に加え、設備等の老朽化対策、ライフサイクルコストの削減についてもお考えください。

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