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食品工場特集 食品工場コンサルティング 第3回 お客様から寄せられるお悩みごとと、改善のポイント(その2)

画像「食の安全・安心」を確保するためには、食品工場における衛生・品質管理が適切に行われるよう、現場力を強化することが求められます。

財団法人 日本冷凍食品検査協会は、冷凍食品のみならず様々な食品の試験・検査・コンサルティングを通して食の安全・安心をサポートすることを目的としている総合食品検査機関です。
約8年前に発足した企画開発事業部では食品工場の監査やコンサルティング業務において数々の実績を築かれています。

画像「食品工場コンサルティング」特集の第3回では、第2回に引き続き食品工場の運用に関してよく寄せられるお悩みごとと改善のポイントについてご紹介します。(全3回シリーズ)

ご自身もメーカーのご出身である、財団法人 日本冷凍食品検査協会執行役員支援部長 新宮 和裕様にお伺いしました。

お悩みごと3:
ケアレスミスによる消費者クレームが減少しないが、どのように改善に取り組めばよいか分からない

問題の背景として考えられることは・・・

作業手順が標準化されていないために作業方法が従業員任せになっており、「やってはいけないこと」と「やらなければならないこと」が不明確なまま作業が行われていることが考えられます。このような場合、従業員の判断に違いが生じることでケアレスミスにつながってしまうことがあります。

一方、日付印字のダブルチェックやミキサーへの原料の投入手順など、ルール化はしているものの、ルールが形骸化して徹底した遵守が行われていなかったり、ルールそのものが適切でないケースも要因として考えられます。

改善のポイント
  • 作業手順によって品質のバラツキや生産性の差が出やすい作業について、適切な作業手順を標準化し、その内容を周知徹底します。
    作業者の特性(利き手など)に影響される作業については、その特性を考慮して単一的な標準化ではなく、選択できる複数の作業手順をつくることがポイントです。
    作業手順書のモデル

    作業手順書のモデル

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  • ルール化しているにも関わらずルールが遵守されていない場合は、管理責任者がその理由が何であるのか原因を突き止め、対策を練る必要があります。対策案を検討する段階で製造現場の意見を取り入れるよう配慮することで、現場にそぐわないルールづくりを回避することができます。

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お悩みごと4:
生産委託先で時々トラブルが発生している。管理の強化が必要であるが、どのように取り組めばよいか分からない

問題の背景として考えられることは・・・

生産を委託する立場にある企業が、委託先における管理状況を十分に把握できていないため、問題になりそうなリスクに対し適切な防止策を事前に検討できていないケースが見受けられます。

また委託側の管理責任者の中には、委託先で製造した製品が自社ブランドで販売されており、それらの製品に対する最終責任は委託側(自社)にあるとの認識が希薄である方がいらっしゃいます。そのため、委託先に対する技術支援などが十分に行われていないことも散見されます。

改善のポイント
  • 生産委託先の管理状況を適切に把握するため、定期的な工場点検を行い、潜んでいる問題点を明確にします。
    また、委託先が「何かあってから報告する」のではなく、問題が生じそうな気配を感じたらすぐに委託側へ相談ができるように、日常のコミュニケーションを強化し相互の信頼関係を築いておくことが大切です。
  • 委託側の経営幹部や管理責任者が、「委託先に作らせてあげている」という意識を持っているのであれば、そのような意識は改めるべきです。その上で、委託先に対してどのような支援が必要であるのかを明確にし、人的、経済的支援について自社に準じた取り組みを行う必要があるでしょう。

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お悩みごと5:
ISOやHACCPを導入したが、製造現場に定着せず成果が出ない

問題の背景として考えられることは・・・
  • ISOやHACCPの認証を取得すること自体が目的化してしまい、導入段階で一部の社員が主体となり文書の整備などを進めたため、工場全体での取り組みに結びついていないことが考えられます。このような場合、工場で働くほとんどの人が「ISOは自分たちの業務を正確かつ楽にするためのツールであり、自分たちのために必要である」という認識を持っていません。
  • システムを導入する際に支援を行ったコンサルタントが、認証を取得するためのテクニックを重点的に指導したため、システムが本来目指していることを理解できないまま力量不足で導入してしまったケースが見受けられます。また、規格の要求事項に完璧に応えようとするあまり、束縛が多く複雑なシステムを導入してしまっていることもあります。

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改善のポイント
  • システムを導入する際にルール化した内容について、現状において実施が可能な内容であるのか(現状に合わない過度な制約を持つルールになっていないか)という点を改めて見直します。その上で、自分たちの業務をスムーズに遂行するために必要なこと(ルール化を必要とする内容)を製造現場の方も交えて考えます。
  • コンサルタントの指導内容について是非が判断できるよう、事務局を運営する社員などを中心に学習することが求められます。
    重装備になってしまっている管理システムを自らの力量において実施可能なシステムへとスリム化することが大切ですが、どのようにスリム化すべきか自社で判断することが難しいのであれば、第三者に現状調査を依頼し、その結果を参考にして取り組むことが有効です。

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