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FM(ファシリティマネジメント)特集 コンセプトプランニング 第2回 コンセプトプランニングの採用事例─オフィス編

大成ブリーフィング手法「コンセプトプランニング」のプロセスは、以下の4章で構成されており、お客様と設計者がともに理解できるブリーフ(設計与条件書)を作成することで、ブレのない施設づくりを実現します。

  • 第1章 ニーズの顕在化:大成建設のオリジナルインタビュー手法「T-PALET」による個別インタビューを実施
  • 第2章 方針の検討:チームディスカッション・課題の整理・課題の共有
  • 第3章 方針の確立:要求条件整理・シーンのストーリー(物語)化
  • 第4章 ブリーフの完成:目標の明確化・コンセプト構築・要求条件と制約条件の明文化

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今号では、株式会社スノーピーク様の新社屋「スノーピーク ヘッドクォーターズ」を計画する際にコンセプトプランニングを採用した事例とともに、コンセプトプランニングのプロセス(第1章から第4章まで)の具体的な内容について、詳しくご紹介してまいります。

第1章 ニーズの顕在化:個別インタビュー手法「T-PALET」を実施し、ニーズを引き出します

心理学を応用した個別インタビュー手法「T-PALET」を活用し、大成建設の専門スタッフがお客様の施設に関する環境やワークスタイルについて、さまざまな部署・役職の方々に一人ずつ本音をお聞きします。
T-PALETをはじめて5分も経つと、お話をする方のエンジンがかかり、自然とその方ならではの話題が広く展開されていきます。個別に抱えている要望や考え方を詳しくお聞きし、ニーズを引き出します。

株式会社スノーピーク ご担当者さまへの個別インタビューで顕在化したニーズ(一例)
スタッフの発想を豊かにする仕組みづくりを行いたい
  • 建物の中にずっといても発想は浮かばない。キャンプなど外でのフィールドワークを通して新しいアイデアが生まれる。
  • 常にリーディングカンパニーであり続けるために、ゼロから何かを生み出す発想を想起しやすい環境が必要。
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部署間のコミュニケーションを促進したい
  • お客様からの問い合わせ内容に最も精通した担当者がすぐ対応できるよう、部署間の連携がすぐ取れるようにしたい。
  • 事務・管理・開発など、各部署が同じ空間内に配置されていると良い。部ごとの考えだけで判断すると、問題点が見えづらくなる。
リラックスできる休憩スペース
  • 女性も休憩しやすい明るくカフェ風の休憩スペースがほしい。仕事場の雰囲気が見えないゆったりできる場があると、よりリラックスできて新たな発想が生まれやすい。

第2章 方針の検討:チームディスカッションを行い、課題を整理して共有します

お客様の個別ニーズを伺ったあと、そのまますぐに設計者が計画図面や絵を描いてみせると、例えば各部屋の面積配分や通路・出入り口の位置など、施設計画の細部についてのディスカッションを行いがちです。
コンセプトプランニングでは、T-PALETを用いて引き出したニーズをもとに、「将来的に実現したいことは何なのか」、「そのために施設はどういう風につくることが大事であるのか」など、ディスカッションすべき「真のテーマ」を明確にしたうえで、皆で話し合いをスタートし、具体的な要望や課題を整理し共有していきます。

スノーピーク様のケースでは、チームディスカッションにおいてワークプレイスに関する次のような要望や課題を共有・意見交換しながら、その後の方針を検討されました。

チームディスカッションで共有・意見交換されたテーマ(一例)

「お客様とのコミュニケーションを促進したい」

「クリエイティブな「場」をつくりたい」

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ディスカッションを行った結果、スノーピーク様の目指すワークスタイルがより鮮明に浮かび上がりました。スタッフ自らがお客様や他部署の人たちと触れ合う機会を大切にし、そこで得たことを業務に活かすという好循環を生み出すクリエイティブな「場」として、新しいオフィスを構築するという方針が設定されました。

第3章 方針の確立:「理想の施設に本当に必要なこと」=要求条件を整理し、シーンのストーリーを描きます

第2章で行ったディスカッションの結果をストーリー(物語)として書き起こし整理します。
前述のスノーピーク様のチームディスカッションで得た意見をストーリー化した結果、次のようになりました。

チームディスカッション結果をまとめたストーリー(一部抜粋)

「新しいオフィスはオープン化され、開発・企画部門とカスタマーリレーション、製造部門との連携が抜群によくなり、お客様の声をスピーディに商品開発に活かせている。
時々アイデアに行き詰ったり、プロジェクトの進捗が滞ったりするとき、さりげなく先輩社員が声をかけてくれる。お互いに様子がわかるオフィスの良さを実感する・・・」

社長を交えたディスカッション風景/検討資料例

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箇条書きでポイントだけをまとめるよりも、ポイントをストーリー(物語)に織り込んで書き起こすことで、将来の施設で実際に起こりうるさまざまなシーンを、各人がより具体的にイメージすることができます。また、それらを皆で共有することで、いっそう具体的でブレのない施設計画をまとめることができます。

第4章 ブリーフの完成:コンセプトを構築し、要求条件と制約条件を明確にします

ストーリー(物語)を書き起こしメンバー間で読み合わせていくことで「本当に理想的な施設のあり方」を明確にし、ブリーフを完成したうえで、その思いを設計者にしっかりと伝えます。

ブリーフの完成!─4つのコンセプトに基づき、フィールド全体をオフィス空間に
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  1. “スノーピークブランド”を発信する拠点
    本社社屋に、オフィス、ファクトリー、ストアを機能的に集約。社員全員が豊かな自然を常に目にすることで、企業理念を意識し、モチベーションを高めることができます。
  2. フリーアドレスを導入した自由なオフィス空間
    自然光が差し込む開放感ある空間で、新商品開発などのクリエイティブな業務を展開。自分の席を固定しないフリーアドレス制により、コミュニケーションを活発にし、自由な発想が生まれやすい環境を実現。
  3. 「見せる」「納得してもらう」ための内観デザイン
    オフィスや工場を自由に見学できるようにし、ストアはフィールドと一体化。製作・修理の現場は一般に公開しており、工場で働く社員のやりがいや技術向上につながっています。
  4. エコロジーに配慮した自然に溶け込む外観デザイン
    自然になじむデザインで、自然光をふんだんに採り入れ、省エネも実現。空間全体でスノーピーク様のコンセプトを感じることができます。

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株式会社スノーピーク
代表取締役社長 山井 太 様

【私たちが考え、実行していることを伝える場所 ─Snow Peak Headquartersの誕生─】

画像人と自然をつなぎ、人と人とをつなげる。私たちはその理念を体現する「場」をつくりたいと考えました。
最初に大成建設が行ったプレゼンの内容についてはかなり厳しい批判をしました。ところが、大成建設はわれわれの批判にきっちり耳を傾けて、それ以降は見事なアイデアをどんどん出してくれたのです。大成建設には体系的な手法と、それを活かせるプロが揃っていました。彼らに私たちの思いを筋道立ててまとめてもらうことで、改めて意識すべきことや課題がくっきりと見えてきました。
Snow Peak Headquartersでは、私たちが考え、実行していることを見て、感じていただくことができます。私たちはここを拠点にユーザーとの調和を図り、製品やサービスの質・量ともに磨きをかけて世界中のユーザーに向けて発信していきたいと思います。

このようにコンセプトプランニングの一連のプロセスを、4つの章で段階的に実施することにより、ニーズの顕在化・ブレのない方針づくりから、その方針に基づいてストーリー(物語)をまとめ、お客様と設計者がしっかりとブリーフを共有することで、お客様の理想とする施設づくりを行うことができます。
また、コンセプトプランニングでは、潜在ニーズまでをも掘り起して計画に盛り込んでいくため、結果としてオリジナル性の高い施設づくりが行えます。

パンフレットのご案内

画像本記事でご紹介した内容について、パンフレットをご用意しております。お気軽にお問合せください。

ご請求は、下記「お問い合わせ/資料請求フォーム」よりお寄せください。
※請求されるパンフレットの名称を必ずご記入ください。

  • パンフレット名「コンセプトプランニング」

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