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地震関連特集 耐震改修に関する法改正を解説─「耐震改修促進法」2013年度の改正ポイント

耐震改修促進法とは

2006年の改正で、2015年までの特定建築物の耐震化率90%という数値目標が設定されました1995年12月25日より施行されている耐震改修促進法は、阪神大震災の教訓から、国民の安全確保のため、建築物の耐震改修の促進を図る措置を規定した法律です。具体的には、1980年以前の旧耐震基準で建てられた多数の人が利用する建物を「特定建築物」とし、耐震性の確認(耐震診断)や必要に応じた改修(耐震補強など)を所有者の“努力義務”と規定しました。

耐震改修促進法は二度の改正を経ており、一回目の2006年の改正では「2015年度までに耐震化率90%」という目標を掲げ、その達成にむけて、特定行政庁による「耐震改修促進計画」の策定が義務づけられました。
各地域における耐震改修促進に関する具体的な施策は、この「耐震改修促進計画」により具体的に進められています。

「2013年度改正 耐震改修促進法」改正のポイント

2013年度改正耐震改修促進法における、対象建物の区分けイメージ二回目の改定となる「2013年度改正 耐震改修促進法」(2013年11月25日より施行)では、よりいっそうの耐震化促進に向けて、いわゆる旧耐震基準建築物の耐震化に対する考え方や所有者に求められる内容が全面的に見直されました。

まず、建物の耐震性の確認と耐震化についての所有者に課せられる努力義務が、これまで多数の人が利用する一定規模以上の「特定建築物」を対象としていたのに対して、今回の改正では戸建て住宅などの小規模建物を含む、基本的に全ての旧耐震基準建築物を「既存耐震不適格建築物」として努力義務の対象となりました。
その上で、多数の不特定者が利用する大規模な建物などを対象に、耐震診断の義務化が建築物の所有者に対して規定されています。

耐震診断の義務化対象となる建物は、耐震性既存不適格建築物のうち、「要緊急安全確認大規模建築物(国による規定)」と「要安全確認計画記載建築物(自治体による指定)」の2つが規定されています。具体的には、それぞれ下記のような建物が対象とされています。

要緊急安全確認大規模建築物:平成27年末までに耐震診断の実施及び報告
  • 病院、店舗、旅館などの不特定利用者建築物
  • 小学校、老人ホームなどの避難弱者が利用する建築物
  • 火薬などの危険物を取り扱う建築物
要安全確認計画記載建築物:自治体が定める期間までに耐震診断の実施と報告
  • 地方自治体などが指定する避難路沿道建築物
  • 都道府県が指定する庁舎、避難所などの防災拠点建築物

これらの建物については、所有者に耐震診断の義務化が課せられているだけではなく、診断の有無にかかわらず耐震性について公表されることになっています。

要緊急安全確認大規模建築物の一覧

要緊急安全確認大規模建築物の一覧(拡大)

このうち、要緊急安全確認大規模建築物で主な建物の種別と規模については、

  • 病院、店舗、旅館等:階数3及び床面積の合計5,000m2以上
  • 体育館:階数1及び床面積の合計5,000m2以上
  • 老人ホーム等:階数2及び床面積の合計5,000m2以上
  • 幼稚園、保育所:階数2及び床面積の合計1,500m2以上
  • 小学校、中学校等:階数2及び床面積の合計3,000m2以上

などが規定されています。
要安全確認計画記載建築物については、対象の建築物や報告の期限などが各都道府県により規定されることになっていますので、今後それぞれの自治体から発表されていくと思われます。

国の直接支援制度(耐震対策緊急促進事業)について

国土交通省「耐震対策緊急促進事業」のWebサイトでは、耐震診断の義務化対象建物や対策、各種の支援情報を公開しています「耐震診断が義務化された建物」のうち、法で指定される「要緊急安全確認大規模建築物」については、耐震診断や補強計画、耐震改修にかかる費用に対して、自治体の補助制度が未整備であっても、創設された「耐震対策緊急促進事業」により、国からの直接補助を受けることが可能です。詳細な内容や手続きについては、右記の「耐震対策緊急促進事業」のWebサイトにて確認できます。

この制度においては、国からの支援のほか、自治体にも助成制度がある場合はその両方を受けることが可能です。なお、自治体が指定する「要安全確認計画記載建築物」については、自治体の制度によるものとなります。
所有されている建物が、診断義務付け建築物であることの確認とその証明書の発行を受ける必要もありますので、助成制度の状況も含め、まずは自治体の相談窓口で確認することが必要でしょう。

画像今回の改定では、こうした助成制度の拡充の他に「基準適合認定建築物」に関する表示制度も改められ、旧制度では対象外だった「新耐震基準の建物」「自主的な耐震改修が終了している建物」も含め、規定の手続きを経て表示が可能になりました。こうした表示を行うには、建物の所有者は特定行政庁に対して基準適合建築物の申請を行い、認定を受ける必要があります。
認定を受けた建物所有者は、所定の様式にて掲示用のプレートを作成するか、建築防災協会などの機関に作成を依頼することも可能です。

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