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データセンター特集 エコ&クラウド時代のデータセンターの姿 第2回 大地震からデータセンターを守る“3次元床免震システム”

データセンターにおける地震対策

いつ発生するか予測不可能な地震。毎年、日本各地において地震による被害が伝えられます。
数多くのデータセンターが存在する首都圏においても、いつ大地震が起きるかわかりません。

お客様の大切なIT資産を預かるデータセンターは、地震発生時においてもサーバー等IT機器を停止することなく、通常と同様の稼動状態を維持することが求められています。
一般的に地震被害を最小限に抑える、即ち地震の揺れから建物を守る方式として、耐震、制震、免震の3つの方式があります。

建物の地震対策

建物の地震対策

  • 耐震:適切な部材とその配置により、強度と粘りで地震の揺れに耐える
  • 制震:建物に設置した装置(制震部材)が地震の揺れを制する
  • 免震:建物に設置された免震装置が地震の揺れを建物に伝わりにくくし、揺れから免れる

データセンターにおいては免震機能をもつことが一般的になりつつありますが、免震方法も様々です。

  • 建物免震:建物一棟全体を免震
  • フロア免震:サーバー室等各フロア単位で免震
  • ラック免震:サーバーラック単位で免震

といったように、状況に応じた免震装置の採用により地震の揺れに対応した堅牢なデータセンターの構築が行われています。

直下型の揺れにも対応!

今までの免震装置は、水平方向の揺れに対しては効果を発揮してきました。近年発生している地震では建物への上下方向の応答加速度が大きいものもよく見受けられます。縦揺れは、建物自体には大きな被害がない場合でも、サーバー等精密機器にダメージを与えるなど、IT機器類に影響を及ぼすことが想定されます。
そこで上下方向の激しい揺れによるデータセンター内のサーバー等IT機器類の被害を最小限に食い止める手段が求められ始めました。

大成建設では、地震時に床に生じる水平振動と上下振動を大幅に低減する技術として、3次元床免震システムを三菱重工業株式会社と共同開発しました。
3次元床免震システムは、従来の水平床免震システムと今回開発された高性能上下免震床システムを組み合わせることにより、水平方向の揺れだけでなく、上下方向の揺れに対しても大きな免震効果を発揮することが可能となりました。

3次元床免震システム

3次元床免震システム

3次元床免震システムとは

3次元床免震システムの装置構成

3次元床免震システムの装置構成

3次元床免震システムは、フリーアクセスフロアの床下部分に「水平床免震システム」と「高性能上下免震床システム」の両装置をあわせて設置します。

上下方向の免震効果を発揮する仕組みとして「特殊空気バネ」と「回転慣性質量」を用いています。この組み合わせにより直下型の激しい縦揺れの周期を、長い周期でゆっくり床を上下に動かすことを実現しました。

従来型の回転慣性質量を用いていない上下方向免震装置では、上下方向周期は0.7秒程度であったものを、3次元床免震システムでは最大1.8秒まで長周期化することができます。
下図で示す通り、高性能上下免震床システム設置により阪神淡路大震災時のような大規模な直下型地震に対しても、上下方向に対する揺れを低減できることが実証されています。

免震周期と効果の関係(上下方向)

免震周期と効果の関係(上下方向)

下図は、鉄骨造4階建ての建物モデルに対して、上下方向の地震動を入力した際における4階床部分の免震効果シミュレーション結果です。従来型の上下免震床と比べて、高性能上下免震床システムを免震床装置として用いた時の方が、上下方向の揺れ(上下方向応答加速度)を確実に低減できることがお解り頂けます。

建物モデル図

建物モデル図

地震応答解析による免震効果の比較

地震応答解析による免震効果の比較

実証実験でも3次元床免震システムの効果を発揮

性能確認実験状況

性能確認実験状況

大成建設では技術センター内にある3次元振動装置を用いて3次元床免震システム全体の免震性能確認試験も行っています。
この装置は実際の地震と同じ地震動を3次元的に再現でき、高精度の震動実験が可能です。今回の確認実験より得られた高い免震効果の結果は、当システムが実際の地震時において想定通りの免震効果を発揮できることを裏付けるものといえます。

3次元床免震システムの活用

既に免震構造を採用している建物には、高性能上下免震床システムのみをフロアの床下空間に設置することにより、3次元床免震システムと同様の効果を得ることができます。これは水平方向の揺れは建物全体で低減、上下方向の揺れのみ各フロアの床部分にて低減することになるからです。

このほか3次元床免震システムは、データセンター等の高度情報化施設のみならず、高度医療施設や美術品等貴重品の展示室・保管庫といった、来場者等がある施設においても、利用が考えられます。

大成建設では、この3次元床免震システムも含めて、データセンターの要求仕様にマッチした、データセンターを守る技術の開発に取り組んで参ります。

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