環境配慮型データセンターの潮流と技術
第2回 PUEの低減とDCiEの向上
では、PUEの低減を図るには、どの様な方策が必要でしょうか?
データセンターの電力消費の内訳を見ると、IT機器以外では、冷却のための空調エネルギーの消費量が大きいことがわかります。つまり、この空調エネルギーを削減することがPUE低減のポイントとなります。
具体的には、
- オーバースペックとならない空調設計
- 高効率な空調システムの導入
- 最適な大きさ・形状を持つ建築空間の提供
- 建物の熱負荷の抑制
などが挙げられます。
さらにデータセンターの設備として重要な機能は、IT機器が消費するエネルギーの変動に追従できる空調設備や電気設備の柔軟性です。
通常、IT機器の消費エネルギーが小さくなれば、データセンター全体の消費電力も小さくなります。しかし、空調設備を細かくコントロールできず、空調エネルギーが従来と変わらなければ、トータルとしての消費電力が減ったとしても、結果的にPUEの値は上がってしまいます。
データセンター建築・設備の柔軟性(拡大)
このようなことが起こらないよう、例えば、ラックの電流値と温度分布をリアルタイムでモニタリングしながら、きめ細かな空調制御が行えるシステムを組み込むことで柔軟性が確保されます。
下の図のような、データセンターの室内環境のモニタリングと最適制御は、PUE低減を実現する上で必要不可欠な機能と言えます。
室内環境のモニタリング/最適制御
PUEという指標は、これまで曖昧だったデータセンターの建築・設備の効率性に着目し、それを数値化することで、電力消費の内訳が明らかになり、建築・設備のエネルギー性能が客観的に評価できるようになった点で大きな意味があります。
最近では、データセンターの環境性能が優れていることをアピールするために、PUEの数値を前面に掲げる事業者も出て来ています。
現在、The Green Gridでは、全世界のデータセンターのPUEを調査・収集・分析しており、その結果に注目が集まっています。
次号では、「バーチャルリアリティを活用したデータセンター熱解析システム」について解説します。


